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1月12日開催!TSEP主催セミナー:移民の経済効果とは?

 
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経済学修士取得。 今は金融業界で営業として働くサラリーマンです。 リサーチ職(エコノミスト)、経済学博士取得を目指して奮闘中。

こんばんは、サーズです。

1月12日に参加した、東京経済政策研究会(TSEP)主催の

「テーマ:移民政策」(課題図書『移民の政治経済学』ジョージ・ボージャス著)セミナー&ディスカッションを振り返ります。

課題図書は、こちらの本です。

 移民の政治経済学 https://www.amazon.co.jp/dp/4560095914/ref=cm_sw_r_cp_api_i_IoexCbF4KC0WA

移民を単なる労働投入だとみなすことが移民の誤った評価を招いているというのがこの本主な趣旨で、様々な観点からの分析結果が紹介されています。

今回はインプット部分を中心に印象に残ったところをメモしていきます。

 

移民は労働力の補完となるか

移民がGDPを増加するという予測は協調される一方で、GDPを増加されるためにはどれくらいの移民が必要かという議論はされないことが多い。

日本⇒現在、日本人の人口は毎年人口が30万人ぐらい減っている(2017年は37万人減った)

外国人は、15万人くらい増えた。

単純計算だと、今の2倍以上外国人を入れなければならない※要再考

https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2017np/index.html

 

移民の出身国によるタイプ分け

所得格差が大きい国の出身者の方が、移住先の国民との賃金格差が大きくなる傾向にある。

所得格差が大きい国から来る移民は技能の低い労働者、

所得格差が低い国から来る移民は、平均以上のスキルを持つ労働者

 

豊かな国出身の移民の収入が高い

移住前に長い教育を受けている

産業が発達した国で得たスキルが他の産業の発展した国でも役立つため

 

 

移住後の賃金について

移民の収入が生きている間に急激に改善するのはまれなこと

どの民族出身かが移民2世の経済的な成功を左右する

二世代という短い期間では、民族グループ間の賃金格差は縮小しない

Ex)スウェーデンの自然実験:移民の集まる民族居住地区のスキルのレベルが、その子供たちの経済的な成功に影響を与えることが確認された。

 

 

移民のもたらす経済的利益

著者の論文”The Economic Benefits from Immigration”NBER Working Paper No. 4955
Issued in December 1994
NBER Program(s):Labor Studies 

https://www.nber.org/papers/w4955

移民余剰  500億ドル

内訳:

GDPの増加 +2兆1040億ドル

移民への支払い -2兆538億ドル

米国人の損失 -5157億ドル

米国企業の利益 +5659億ドル

 

極めて有能な労働者の移民は人的資本にプラスの波及効果を持つ

身近に交流した人物(指導相手となった学生など)には強い波及効果を持つが、すでに「1人前」になっている同僚にはそれほど影響を及ぼさない

 

 

財政への影響

・低技能移民は米国の税金を使う側になり、高技能移民は税収を増やす側になる

公的サービスを提供した時点では大きい財政負担となっても、将来的に移民が高い収入を得てより多くの税金を納めるのであれば財政にプラスの影響をもたらす。

まとめ

この本は基本的にアメリカのデータで分析されたものなので、他の国でどうなるかは分かりません。

ただ著者の論文の推計を見るとプラスマイナスとんとんというイメージを受けます。

著者の主張は、移民を「労働力のプラス」とだけ捉えるなというものです。

日本がこれから移民の受け入れを進めて行く際に参考にすべき推計値かなと思います。

今日は以上です!

 

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