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11月17日FED主催『執筆者参加予定!金融経済読書会「財政破綻後 危機のシナリオ分析」』ふり返り

2018/11/27
 
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経済学修士取得。 今は金融業界で営業として働くサラリーマンです。 リサーチ職(エコノミスト)、経済学博士取得を目指して奮闘中。

こんばんは、サーズです。

先週の土曜日は、FED主催の『執筆者参加予定!金融経済読書会「財政破綻後 危機のシナリオ分析」小林慶一郎 (編集)へ参加してきました。

予習企画をもっと沢山書くはずでしたが、間に合わず、、。(後日アップするかもです。)

久しぶりの参加でしたが、かなり楽しんできました^^

以前よりもアウトプットが中心の構成になっており、議論が中心となっていたので

非常に盛り上がりました。

では早速感想を書いていきます。

読書会の内容

私は、

・日本が破綻するかどうか

・日本が破綻したときの応急措置

・個人として何が出来るか?

このような点に関心がありました。

それらはそれぞれ会の流れの中で理解を深めていきました。

今回、主に議論されていたことは、以下のような点でした。

・日本が破綻寸前であるのに、その状態を維持している理由

・財政破綻は、(世代間の)合意形成の問題に行き着く

・世代間格差を打開するイギリスの第三者組織について

ここでは、会の流れに沿って振り返っていきたいと思います。

日本は財政破綻するかしないか

この点に関して、

日本銀行の資金循環表を用いながら、

(参考)2018年度第二四半期の資金循環(速報)(概要)

・家計には800兆円の貯蓄(現預金)があるので、最悪、あと800兆円国債を発行しても、家計が買い支えることが出来る

・これだけ日々財政赤字が重み年金が減ると言われているので、団塊世代の引退が始まっていても民間貯蓄が切り崩されていない

といった点を共有しました。

ただしこの循環表については、

・株式などの金融資産は時価評価をしているので、リーマンショックのようなことがあれば100兆円ほど簡単に減ってしまう

・企業の資産は見なくてもよいのか?⇒企業はストックとして金融資産を貯蓄する性質がないので見ない

いった議論が行われました。

この貯蓄が切り崩されない状況については、以下のような事項についても補足が行われました。

・リカード・バローの中立命題が成り立っている?

・1990年代にあった「地域振興券」政策は、ばらまきがそのまま貯蓄に回った好例。⇒恒常所得仮説が成り立っていることも言える。

(参考)リカード・バローの中立命題

財政赤字による公債の負担が現在世代と将来世代では変わりがないことを示した定理。

財政赤字になって、その分を穴埋めする公債の発行が増えた経済を考える。公債の負担は将来世代にかかる税によって償還されなければならない。このとき、公債の市場利子率と民間資金の割引率が同じであれば、生涯所得は変わらない。人々は将来の増税を見越して現在の消費を少なくするであろう。そうすると、現在世代は税負担と同じ効果を節約という形で受けているわけであり、将来世代の負担が重くなるということはない。リカードが提唱したこの考え方が、バローによってさらに発展させられた。

引用元

(参考)恒常所得仮説

人は将来、所得が増える見通しがあれば消費を増やすが、逆に人は将来、所得が増える見通しがなければ消費を減らす[2]。このような行動をとることを「恒常所得仮説」という[2]。もしも仮に人々が合理的であれば、変動所得に該当する一時的な収入増加はほとんど消費されずに無効となるという結論が導かれる。(作者編集)

引用元

財政問題の抜本的解決なるか

次に、財政破綻問題の解決のキーになりそうな、イギリスの第三者組織についても紹介があり、興味深かったです。

イギリスではキャメロン大統領が政権奪還時に公約として掲げていたことが発端となり、

財政に関して政府に申し立てが出来る第三者機関があるようです。

日本語だと『予算責任局』や『財政責任局』などと訳されるようですが、まだウィキペディアのページも出来ていないようです。笑

このOBRという組織は、聞いた話では財政に関する研究調査を行う機関で、

政府の試算がどれくらい外れるか、といったことも検証し、実際に政治家はこのOBRのレポートに基づいた政治が求められるらしいです。(強制力はないようですが、無視することは出来ないとのことでした)

このほかにも、議会に若者代表の席を必ず一席は設ける、といった事例もあり、

財政破綻を防ぐには、財政の構造改革が必要であり、それがいかに通常の民主主義では実現が難しいか、世代間格差の問題であるか、ということを改めて認識しました。

個人の備え?

さて後半は自分の興味のあるテーマごとにテーブルに分かれましたが、

テーブルのひとつに個人の備えとして何が出来るかということを話し合っていたテーブルがありました。

そのテーブルがいきついた結論としては、日本が財政破綻しないために、増税と社会保障費の削減は賛成。

それでも自分のことになれば個人の備えとして資産を海外に移すしかないということで一致したといい、

これこそが「総論賛成、各論反対」の象徴である、といううまいシメがあり、自然と拍手が沸いていました。笑

まとめ

私個人として抱いていた疑問点である、

・日本が破綻するかどうか

・日本が破綻したときの応急措置

・個人として何が出来るか?

について、それぞれ理解を深めることが出来ました。

特に日本が財政破綻するか否か?については、構造改革が進み、社会保障については自分自身で備える「自助」が併せて進行していけば、現在のような負債過多の状況から抜け出せるのではというポジティブなイメージが(理想論であれ)描けたことが貴重な体験となりました。

財政破綻するか否かについて経済学上の概念を使って判断したいという欲求が高かったのですが、それらのツールではほとんどどれも日本は破綻するという結論であるという意見を持っている方が圧倒的であったことも個人的には印象的でした。

財政破綻後の応急処置については、日本はハイパーインフレを外圧でしか解決したことがないので、不安だといった意見があり、自分でも検証してみようと思いました。

また、「一旦破綻させた方がきれいになってよいかも」という意見があり、(破綻してしまえば財政の健全化が半強制的に進む)、とにもかくにも財政破綻の問題には合意形成が上手く出来るか(あるいはトップダウンが上手くいくかどうか)が重要であるということを再度認識しました。

久しぶりの参加でしたがとても楽しかったです。人脈も広がり、視野も広がるので、おすすめします。

次回また参加した際にはレポートを書きます。

以上です。

おまけ

余談ですが、「政府が出す経済見通しは、一番悪いシナリオが当たる」ということを検証したレポートがあるらしく、聞いていて面白かったです。(当たっているだけよいかも?)

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経済学修士取得。 今は金融業界で営業として働くサラリーマンです。 リサーチ職(エコノミスト)、経済学博士取得を目指して奮闘中。

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