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<健康×経済学>経済学で”健康”を考える3つの視点

 
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経済学修士取得。 今は金融業界で営業として働くサラリーマンです。 リサーチ職(エコノミスト)、経済学博士取得を目指して奮闘中。

こんばんは、サーズです。

今回は、お世話になっているコカケアさんから、健康×好きなもので記事を書いてみてほしい、という依頼を受けたので、

健康×経済学というテーマで記事を書いてみます。

※お金もらってないですよ!念のため。笑

九州大学 浦川邦夫教授のシンポジウム「経済学は健康にどうアプローチしたか」(2013)を参考にさせていただきました。

 

健康を経済学で捉える3つの視点

九州大学 浦川邦夫教授の「経済学は健康にどうアプローチしたか」は、経済学の研究分野における「健康研究」のサーベイ論文です。

私はこれを読み、以下の3つの視点にまとめましてみました。

・人的資本を構成する要素と捉える

・経済状況が作り出す結果と捉える

・便益費用分析によって行動した結果と捉える

以下、ひとつひとつ見ていきます。

 

①人的資本を構成する要素と捉える

経済学の健康への代表的なアプローチがこの方法になるようです。

経済を構成する要素として、ヒト・モノ・カネが挙げられますが、このうち「ヒト」の部分の1要素として考えるということですね。

こう捉えることによって、既存の経済モデルを使って、以下のような分析が出来るようになります。

・(国民の健康が)国の経済成長にどう影響しているか

・(従業員の健康が)企業の経済活動にどう影響しているか

・(その人の健康が)労働者の生産性にどう影響しているか

かなり多数の研究がされているようですが、紹介されていて特に面白そうだなと思ったのは以下の二つでした。

これらは、個人的にけっこう興味があるので、別途、記事に書きます。

The Effect of Health on Economic Growth: Theory and Evidence
David E. Bloom, David Canning, Jaypee Sevilla
NBER Working Paper No. 8587  Issued in November 2001

Health, Human Productivity, and Long-Term Economic Growth
Suchit Arora
The Journal of Economic History
Vol. 61, No. 3  Issued in September in  2001

 

②経済状況が作り出す結果と捉える

続いては、健康をひとつの事象と捉え、経済との関係性を分析する視点です。

所得、学歴、職業、世帯属性などの社会経済的状況(Socioeconomic Status, SES)が健康にどのような役割を果たすのか、

経済学を含め様々な分野で研究が進められてきたようです。

・所得が高くなるほど健康なのか

・→その傾向は男女どちらが強いか

これはほんの一部ですが、こういった分析が行われています。

詳しくは元論文「経済学は健康にどうアプローチしたか」を参照してください。

 

③便益費用分析によって行動した結果と捉える

最後は、健康は人の行動の結果得られるもの、という考え方です。

本来の健康のイメージに一番近いのがこれですね(笑)

これは医療経済学で近年行われてきた研究だそうです。

 

健康を得るためにかかった費用と、得た健康の便益を比較することで、医療サービスや医療政策の効率性を図っていこうという分野です。

要は、健康を得るための方法として、コスパがいいかどうか考えるってことですね。笑

日本の場合、高齢化が進み、公的医療財政の拡大が国全体の根幹を揺るがすような問題になってきているので、

こちらも非常に重要な分析です。

 

最近では「健康に対する満足感」をどれだけ上げられたかという分析も盛んだそうで、

幸福学の分野とも重なり、非常に興味深いです。

ちなみに、何度も引用している『幸せのメカニズム』によると、

医師による客観的な健康評価よりも、自己評価による健康評価の方が、幸福感との相関が高いそうです。

(根拠論文、Larsen,1992としか記載なく特定できず→調べます(明記すべき。。))

 

まとめ

・人的資本を構成する要素と捉える

・経済状況が作り出す結果と捉える

・便益費用分析によって行動した結果と捉える

これらの3つの視点は、健康以外のものに関しても使えそうですね。

また、健康と経済成長の関係性、健康と生産性の関係性については、また記事を書きます^^

今日は以上です!

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