経済と経済学をつなげるブログ

戦争と経済の関係 メカニズム編

2018/09/24
 
この記事を書いている人 - WRITER -
経済学修士取得。 今は金融業界で営業として働くサラリーマンです。 リサーチ職(エコノミスト)、経済学博士取得を目指して奮闘中。

こんばんは、サーズです。

今日は積読になっていたこちらの本を取り上げます。

戦争はGDPにどんな影響を与えるか

⑴民間投資抑制(クラウンディング・アウト)

戦争は基本的に政府が行うので、戦争が発生すると、GDP項目における政府支出が増えることになる。

多額の戦費を全て増税で賄うことは現実的ではないので、国債発行が合わせて行われる。

国債が大量に発行されると、国債が余り気味になるため、金利が上昇する。

企業は資金が借りづらくなるので、判断に迷うような投資案件は中止や延期になる。

→民間投資が抑制される。

とりあえずは、投資の減少よりも戦費の支出の拡大の方が大きいので、短期的にはGDPが大きくなり、

経済が成長したように見える。

しかし今後の経済成長に必要な投資まで抑制してしまった場合には、長期的な経済成長に影響が及ぶ。

 

⑵金融市場への影響:インフレ

国債の大量発行は金融市場への影響も与える。

当初は、政府の発行する国債を一般的な投資家が購入することで国債を消化していくことになりますが、

一定限度を超えると難しくなる。中央銀行が消化に乗り出すと、インフレになる。

日露戦争では、海外の投資家が国債を引き受けたが、太平洋戦争では、英国と米国という金融市場の中核になっている国を敵に回したため、海外市場での調達ができなかった。

中央銀行が国債消化に乗り出すと、市中に大量のマネーを供給することになり、通貨の価値は減少し、

インフレが発生する。

インフレが発生すると、名目GDPは増えるので、その分経済は成長したように見える。

名目GDPの増加分もしくは、それ以上に物価が上昇するので、名目GDPから物価上昇分を差し引いた実質GDPは増えないことになる。インフレが激しい場合には、むしろマイナスになる。

経済体力を無視した戦費調達を実施すると、ほぼ確実にインフレが発生する。

 

⑶実需の拡大によるインフレ

各国の経済は、基本的に需要と均衡がバランスする形で均衡している。

需要が存在する分の生産能力しか企業は持っていないところに、急な需要の増加が発生すると、企業は高い報酬を払ってでも人を確保しようとするので、物価が急上昇する。資材や燃料などあらゆる分野に及び、これが繰り返されると、急激にインフレが進む。

 

⑷消費者心理への影響

戦争が発生することで、心理的にネガティブな影響が生じ、消費が減る可能性がある一方、

国威が発揚されて消費が喚起されることになるかもしれない。

また戦争特需を期待する人が一定数出てくるので、こちらは消費にはプラスの効果をもたらす。

戦争の初期には消費はプラスとなることが多いが、戦局が悪化してくると、消費者の心理も悪化してくることになる。

 

⑸株価への影響:市場の戦局予測

一般的には戦争初期には株価が上昇するケースが多く、戦局が悪化すると下落する。

市場が戦争によって経済がどうなるかを予測した結果が反映される。

 

まとめ

⑴民間投資抑制(クラウンディング・アウト)

⑵金融市場への影響:インフレ

⑶実需の拡大によるインフレ

⑷消費者心理への影響

⑸株価への影響:市場の戦局予測

今回はかなり読書メモのようになってしまいましたが、、

今日は以上です!

この記事を書いている人 - WRITER -
経済学修士取得。 今は金融業界で営業として働くサラリーマンです。 リサーチ職(エコノミスト)、経済学博士取得を目指して奮闘中。

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Copyright© エコノミストへの道 , 2018 All Rights Reserved.